前の記事までで、テーマとコンセプト、シナリオの概要、あらすじも決まり、プラットフォームも選びました。構成についても学びました。
キャラクター創作の7つのカテゴリー
さて、次はキャラクターですが……
- 表向きの顔と性格
- バックストーリー
- 内面の悪魔との葛藤
- ゴールと動機
- 世界観(信念体系や倫理観)
- キャラクターアーク(キャラクターの学びと変化)
- 決断・行動
工学的ストーリー創作入門によれば人物設定は7つのカテゴリーに分けられます。
脚本制作の専門用語を突然並べましたが……マダミスに即した言いかえをすると、
- 表向きの顔と性格……キャラクター選択画面で見える姿
- バックストーリー……最初に配られる個別資料に書かれた内容
- 内面の悪魔との葛藤……キャラクターの秘密や葛藤
- ゴールと動機……キャラクターの目標
- 世界観(信念体系や倫理観)……バックストーリー・葛藤・ゴールを読み取ってプレイヤーが決めるプレイ方針
- キャラクターアーク(キャラクターの学びと変化)……議論や調査、投票を経てキャラクターに起こる変化。成長でも悪化でも良い。
- 決断・行動……議論中・投票・アクションフェーズでの決断・行動
と言い換えられるでしょう。
マダミスのフェーズごとに分けると、分かりやすくないですか?
マダミス制作のセオリーはキャラクター制作のセオリーに準じていています。
マダミスのセオリー通りにキャラクターを作ると、魅力的なキャラクターが作れるんです!
まず、今日はキャラクターの「表向きの顔と性格」について書いていきます。
キャラクター選択フェーズでワクワクするマダミスを作る方法
キャラクター選択フェーズでワクワクするマダミスって良くないですか? 私は好きです。
キャラクターを「誰でもいいや」とならず、「このキャラが良い!」となるの、楽しいですよね。
もちろん、キャラクターが無個性なのが売りのマダミスもあるので、一概にこれから述べる内容が「正しい」訳ではありません。
あくまでキャラクター選択フェーズでワクワクするマダミスを作る方法として考えてください。
キャラクターを差別化する
はい出ました「差別化」。
簡単に差別化できたら苦労しないんだよ、って思いますよね。私は思います。
簡単ではないので……いったん、完全に無個性の5人を用意してみましょう。
この5人、見分けられますか? 私はできません。
マダミスのキャラとしても、「一番左の人」「左から2番目の人」などと議論中呼びづらそうです。アリバイ精査とか絶対無理ですよね。
では、5人に色付けしてみましょう。
一気に見分けがつくようになりました。
マダミスのキャラとしても、議論中「緑さん」「赤さん」と呼び合いやすいですよね。
差別化って最低限、これで十分なんです。
これはどうでしょう?
左端の2人、確かに薄い緑と濃い緑で色は違いますが……区別がつきづらいです。
これは駄目な例ですね。
ではこれはどうでしょう?
小さい緑の人と、大きい緑の人がいます。
色の濃淡より見分けはつきやすくなりましたが……青い人・オレンジの人・ピンクの人がいるなら、できたら色で分けた方が分かりやすくないですか?
そうです。差別化する要素として、モチーフは共通させた方が良いのです。
この例でいえば「色」というモチーフで差別化しています。たとえば他にも、
- 数字
- 季節
- 時間
- 星座
- トランプ
- 五行
- 動物
- 干支
など……色んなモチーフがあります。
ベタな作品のモチーフの法則https://chakuwiki.org/wiki/%E3%83%99%E3%82%BF%E3%81%AA%E4%BD%9C%E5%93%81%E3%81%AE%E3%83%A2%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%95%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87 モチーフが一覧になっているサイトです。便利なのでぜひ見てください。
まとめると、差別化においては「同じモチーフの要素を割り振り、はっきりと違いを出す」ことが大事です。
もちろん、モチーフは1つでなくても構いません。
自作「ばらばらラブレター置き去り事件」では夏川みどり・春日宮あかり・雨季あおい・秋野院きいこ・冬森ももみという5人のキャラが出てきます。
この5人にはモチーフとして、季節・色を使っています。名前だけでも見分けがつきやすいですよね。
色はアイコンや文面の色分けにも使えるので便利です。
モチーフで差別化するメリット
モチーフを使って差別化するメリットとしては、プレイヤーがキャラを把握しやすいことが挙げられます。
マダミスでは特にプレイヤーの思考リソースが限られているので、キャラの把握は簡単に終わらせた方が良いでしょう。
ぱっと見た印象でキャラの特徴が把握できれば、議論の際にも思考リソースを「だれだっけ?」に割かずに済みます。
モチーフで差別化する際の注意点
では、モチーフがあればキャラクターが分かりやすく差別化できるのでしょうか。
たとえば、「熱血蒼太」というキャラクターを考えてみます。
おそらく熱血なキャラだと推測できますが……名前からすると蒼(青)がイメージカラーのようです。
さて、色にはイメージがあります。青なら冷静・クール、赤なら情熱・闘争心など。
「色 イメージ」で検索すると、以下のような詳しい記事が沢山出てきます。 ビジネスカラーコラム - 【ビジネス生存戦略】カラーイメージを味方につける https://www.dic-color.com/knowledge/business/color_image.html
「熱血蒼太」は色が与える印象=青=クール・冷静と、性格=熱血が不一致ですね。
このような不一致はキャラの魅力を深めることもありますが……プレイヤーの混乱を招く可能性もあります。特に、マダミスではプレイヤーの考えるリソースが限られています。
意図があって不一致にするのは良いのですが、プレイヤーの思考リソースを割かせるだけの価値があるのかはいったん考えてみてください。
また、後の記事で述べますが「キャラのバックストーリー」でキャラのギャップは表現できます。表向きの顔でギャップを出して混乱させる必要は余りありません。
出来る限り、モチーフ同士のイメージは共通させる方が無難でしょう。
キャラクターを対比させよう
というのを書くつもりなんですが……
時間切れです!
明日をお楽しみに。
マダミスアドカレチャレンジについて
マダミスアドカレチャレンジと題して、マダミスの作り方を12月1日~25日で書けるだけ書いくチャレンジをしています。
チャレンジ終了後、記事は一部非公開にして、pdfの電子書籍+穴埋めフォーマットを付けてBOOTHなどで販売予定です。
クリスマスまでの間、しばしお付き合いください。明日もどうぞお楽しみに。