マーダーミステリーは何でできている?
マダミスは何でできているんでしょうか。
マダミスを購入して、入っているものを見てみると、キャラクターシート、進行説明書、GMガイド、ココフォリア盤面情報やカード、解説、エンドカードなどでできていると言えるでしょう。
では、マダミスを分解して、シナリオとして考えるならどうでしょうか。
キャラクター設定があり、コンセプトとテーマがあり、物語の展開の構成があり、さらにそれらを表現する文書や画像があります。
マダミスをゲームとして捉えるとどうでしょう。
ルール(制約)があり、時間の調整があり、推理導線も必要ですし、推理する対象である謎や事件も必要です。
マダミスを「体験型エンターテインメント」と考えるとどうでしょう。
非日常なシチュエーション、ロールプレイング、人生で一度きりの体験など、特殊な体験でできています。
マダミスは、分解して考えると、シナリオであり、ゲームであり、体験型エンターテインメントでもあるのです。
また、俯瞰して「マダミス制作」全体を考えると、マーケティングでもあり、サークル活動でもあり、インディーゲーム制作でもあります。
マダミス制作って奥が深いですね。
今日は、パッケージとしてのマダミスについて書き出していきます。
別観点のマダミスについては別の日に。
パッケージとしてのマダミス
パッケージとして、つまりマダミスとして遊んでもらうために作らないといけない成果物を考えてみましょう。
一番シンプルにつくれるウズスタジオで作る場合を想定してみます。
ウズスタジオではテキストを入力し、サムネイル画像を用意するだけでマダミスが作れるので大変便利です。ウズやBOOTH、印刷物の違いについてはまた別の記事で書きますね。
ウズスタジオについてはこちらから→https://note.com/uzuapp/n/n5c8e1f8571ae
- 作品紹介
- キャラクター選択用のキャラクター紹介文
- オープニング
- キャラクター個別情報
- 共通情報(無くても良い)
- 投票先のリスト
- エンディング
- 解説
最低限作らねばならない文章はたったこれだけです。あとは資料読み込みや議論の時間を設定をすれば完成です。やりましたね。
マダミスの基本的なルールはウズでは全作品に自動的に表示されるので、書かなくても大丈夫です。作品独自のルールがある場合のみ、書き足しましょう。
ウズスタジオではなく、BOOTHで販売するオンラインパッケージや印刷物では、他にも以下のようなものが必要です。
- 「マーダーミステリーとは?」の解説
- ルール説明
- 進行表
- GMガイド
- ココフォリアやユドナリウムの盤面情報、カード
ルールやゲーム性によってはもっと他の文章や資料が必要になるかもしれません。考えていくときりが無いので……この記事では、ウズスタジオを使った最低限の情報について、それぞれ何を書かねばならないのか詳しく説明します。
作品紹介
マダミスをプレイ開始前に読める情報です。
- あらすじ
- 作品の特徴(推しポイント)
- プレイしてもらいたい人
- プレイにあたっての注意点
などを書くと良いでしょう。ネタバレを含んではいけません。
注意しないといけないのは、作品紹介を読まずにプレイするプレイヤーもいることです。あらすじや必要な情報をここに書くと見落とされる可能性が高いです。
必要な情報は、プレイ開始後に読める部分に必ず載せるようにしましょう。
特にあらすじは、プレイ開始後に再掲したり、オープニングをあらすじを読んでいなくても分かるように書いたり、工夫しましょう。
キャラクター選択用のキャラクター紹介文
こちらもプレイ開始前に読める情報です。マダミスではキャラクターを必ず選択しますから、あらすじのように読み飛ばしへの配慮は不要です。
「どのキャラクターにするか」をプレイヤーが選べる情報があれば良いでしょう。
シンプルな作品なら「男」「女」でも良いですし、キャラクター性が強い作品なら名前、特徴的なセリフなどを載せても良いでしょう。
作品によって書く内容は違うので、以下のリストは参考までに使ってください。
- 名前(ふりがな)
- 年齢
- 外見
- 職業
- 経歴
- 一人称
- 普段の性格
- 他のキャラクターとの関係性
- 今どういう状態や仕草をしているか
- なぜこの場にいるのか
- 特徴や一人称が分かるセリフ
すべてを書く必要はありません。事件や設定によって書くべき内容は変わります。
オープニング
プレイ開始後、ルールなどに続いてすぐに読むことになる部分です。
- 事件のあらすじ
- 現在の状況
- 解決すべき事件
- なぜ議論するのか
以上の内容が書いてあれば、書き方は自由です。
たとえば、それぞれのキャラクターのセリフとして、読み上げながら状況が理解できるように書いてあると、没入感も高まります。
「なぜ議論をするのか」は忘れがちですが、ぜひ書きましょう。殺人事件が起きているなら普通は警察と救急車を読んだほうが良いです。なぜわざわざ議論をする状況になっているのか、オープニングで理解できるとスムーズに物語に入り込めます。
キャラクター個別情報
選択したキャラクターの個別情報です。キャラクターの数だけ必要です。ハンドアウトやキャラクターシートとも呼ばれます。
基本的には以下の内容があると良いでしょう。
- どんなキャラクターか
- 秘密
- 目標
- 事件前後の行動(タイムライン)
- 知っていること
- 他のキャラクターへの印象
これらの内容は基本的には他のキャラクターは知りません。一人だけ知っている情報です。
共通情報
共通情報は無くても構いませんが、世界観や事件の状況が書いてあると分かりやすく、世界観への没入感も高まります。キャラクター個別情報に添えて載せると良いでしょう。
共通情報なので、キャラクター全員に同じ内容を載せましょう。分かりやすく【共通情報】と記載すると親切です。
- 舞台設定
- 用語
- 世界観の設定
- 目に見えて分かる事件の状況
- 目に見える手がかり
投票先のリスト
キャラクター個別資料を読み、議論をした後は投票です。議論は特に時間の設定だけすれば、読んでもらう資料はありません。
投票先は「何の対象に投票するのか」「投票先」を決めねばなりません。
基本的には投票の対象は事件の犯人で良いでしょう。
投票の対象を事件の黒幕や、はたまた何か重要なアイテムなど、違うものにしても構いません。工夫のしどころですが、事件の犯人以外が投票の対象ならば、議論のどこかで何を対象に投票するのかを明示しましょう。
投票先のリストは過不足なく、すべての可能性を網羅しましょう。
たとえば事件の犯人として外部犯の可能性が捨てきれない推理や議論をしたのに、投票先に外部犯がなければ、メタ的に内部犯だと分かってしまいます。投票先のリストでメタ読みしてガッカリさせないよう注意しましょう。
エンディング
投票の結果によって分岐した分だけエンディングがあります。
正解の選択肢とそれ以外、という2種類のエンディングでもいいのですが、物足りなさを感じそうですよね。できれば投票結果によって違うエンディングがあるとうれしいですね。
絶対に書かなければいけない情報の決まりはありませんが、最低限「投票の結果どうなったか」を書きましょう。
エンディングは基本的には全体のエンディングです。
キャラ単体のエピローグとして、個別エンディングをつける作品もあります。
解説
事件の真相を明かす解説です。
最低限、事件の真相や、目標達成に至る導線を書くようにしましょう。特に忘れがちなのが目標達成に至る導線です。
目標達成の導線を書くに当たって、すべてを知っている作者の視点から書いてしまうのはやってしまいがちなミスです。
キャラクターの視点から見ると、他のキャラクターが絶対に隠す情報がないと真相に辿り着けないなど、キャラクターの視点からは納得できない導線になっている可能性もあります。
それぞれのキャラクター視点で目的を達成する導線を必ず書くようにしましょう。
他の文章を書く前に解説を書くのもオススメです。足りない情報や、無理な設定が見つかるからです。文章を書く前の準備段階が終わったら、まず解説から書き始めましょう。
マダミスに必要な文章は分かったけど……?
以上でマダミスに必要な文章が分かりました。
これらの文章を書けば、マダミスがプレイできるようになります。
やりましたね……とは言えません。
さあ書いてください、と言われても何から書けばいいか分かりませんよね。
「書けるぜ!」っていう天才もいます。どんどん書いてください。
でも、普通の人はなかなか書けません。なぜなら、文章を書く前に、下準備が必要なのです。
そのために、冒頭に述べた「シナリオとしてのマダミス」「ゲームとしてのマダミス」などの知識が必要になってきます。
難しそうですね。大丈夫です。穴埋めシートに穴埋めしたら、簡単に作っていけるように解説していきます。
では、下準備や知識については、また別の記事で。
書けるぜ!という方も、書いてみたいな、という方も、 まずウズスタジオに登録しましょう https://note.com/uzuapp/n/n5c8e1f8571ae
マダミスアドカレチャレンジについて
マダミスアドカレチャレンジと題して、マダミスの作り方を12月1日~25日で書けるだけ書いくチャレンジをしています。
チャレンジ終了後、記事は一部非公開にして、pdfの電子書籍+穴埋めフォーマットを付けてBOOTHなどで販売予定です。
クリスマスまでの間、しばしお付き合いください。明日もどうぞお楽しみに。
明日はテーマ・コンセプトについて書く予定です。
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