前の記事までで、テーマとコンセプト、シナリオの概要、プラットフォームも選び、キャラクターを作り、魅力的な事件も考え、あらすじも決まりました。
では今日はタイムテーブルと情報表を作っていきましょう。
個別資料には何を書く?
タイムテーブルを作る前に、最初にプレイヤーに配られる個別資料に書かなければいけないことを整理しましょう。ハンドアウトやキャラクターシートとも呼ばれる資料です。
マダミスプレイヤーなら何度も見たことがある個別資料ですが、
- どういう人物か?(バックストーリー)
- 隠したいこと(秘密・葛藤)
- 目標
- 他のキャラクターへの印象
- 他に知っていること
- 行動タイムライン
- RP指針……必要であれば
- プレイ指針……必要であれば
といった情報が載っています。
もちろん、作品によっては他の情報も載っていることがありますが、最低限はこのような内容でしょう。
バックストーリーや隠したいこと、目標、他のキャラクターへの印象は既に今まで考えてきた内容でもう書けるはずです。
ということは……もうほとんど埋まりますね! やりましたね。
個別資料の書き方の様式は特にありません。
プレイヤーが読みやすいように書くと良いでしょう。
書き方の手順としては、いったん、絶対に必要な情報を箇条書きにしましょう。タイムラインなど他の情報も整理できたあと、仕上げとして文章を整えていくと良いでしょう。
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ここからは行動タイムラインを作るために、タイムテーブルの表を作っていきましょう。
タイムテーブルを作ろう
タイムテーブルとは、キャラクターがいつ何をしていたかの表です。
プレイヤーとしても、時系列整理のためにエクセルやスプレッドシートに情報をまとめたりしますよね。作者も時系列整理の表を作りましょう。
1.タイムテーブル表を作る
画像のような感じで、縦に時間、横にキャラクターを並べましょう。
横軸にキャラクターを並べる
キャラクターは
- プレイヤーキャラクター全員
- 殺人事件ならば被害者
- 盗難事件ならば盗難品など重要なアイテム
- NPCが重要ならばNPC
プレイヤーキャラクターは必須です。内容によって、被害者や重要なアイテム、NPCの欄も作りましょう。
縦軸に時間を並べる
縦軸には時間を並べましょう。
時間は15時~16時といった時刻でも良いですし、2時間目と3時間目の間の休み時間などでも良いです。
あるいは、夕食会まで、夕食会、夕食会後、轟音がした時、など、時間に分かりやすい名前を付けておくと議論がスムーズになるでしょう。
2.事件に係る重要な出来事を埋める
表が出来たら、事件に係る重要な出来事を埋めていきましょう。
被害者や犯人の動きをまず埋めましょう。
絶対に動かせない出来事はセルを色付けするなど、見やすいようにすると後で整理がしやすいです。
3.目撃情報など事件解決の手がかりになる情報を入れる
目撃情報は調査フェーズの作り方によります。
クローズ型でカードなどの調査を行わない場合、事件の手がかりはお互いのタイムラインの中での目撃情報に限られます。重要な行動はプレイヤーキャラクター同士が目撃するようにしましょう。
逆にオープン型の場合は、NPCの証言などが使えるので、プレイヤーキャラクターが他のキャラクターを目撃している必要はないかもしれません。
必要に応じて目撃情報を入れていきましょう。
tips! 情報の埋まり具合を確認しよう
この段階で、キャラクターによって情報の埋まり具合に偏りが無いか確認しましょう。
あまりに空白が多いキャラクターを担当するプレイヤーは議論に入りづらくなります。適度に目撃者を分散しましょう。
また、犯人へ繋がる情報が少なそうなら、キーアイテムを追加したり、バランスを調整しましょう。
4.空いている箇所に情報を足していく
空いている箇所に情報を足していきましょう。
キャラクターの性格が分かるエピソードなどがあると、キャラクターに感情移入しやすくなるかもしれません。
5.調整する
調整する……といっても、どこをどう調整すれば良いか分からないですよね。
そのために、次に紹介する情報表を作っていきましょう。
情報表を作ろう
情報表は「誰が何を知っているか」の表です。ABCDEがキャラクターの名前で、横軸が知っている人、縦軸が知っている相手になります。
情報表の作り方
作り方は簡単です。簡単ですが……手間のかかる部分です。頑張りましょう。
タイムラインを見ながら、誰が何を知っているかを書き写していきましょう。
また、タイムライン以外にも個別資料に書く情報も書き入れていきましょう。
1セルあたり1つの情報を入れていきます。
情報を埋め終えたら、ここでもバランスを確認します。
AについてEが何も知らなければ、個別資料に書く情報を追加したり、タイムラインに戻って絡みを増やしたりします。
情報表はフェーズごとに作る
クローズ型(個別情報の資料だけで進むタイプのマダミス)なら基本的に情報表は1つで済みます。
オープン型(カードなどを使って情報を得るタイプのマダミス)でフェーズごとに情報が増えていくようなタイプのマダミスならフェーズごとに情報表を作ると作者の頭の整理がしやすいです。
情報表を作るメリット
何を知っていて、何を知らないかの可視化
マダミス制作において、作者は事件の全体を知っています。
プレイヤーが「何を知らないか」という視点が制作中には抜け落ちてしまいがちです。
しかし、「何を知っていて」「何を知らないか」はマダミスにおいてとても大事な情報です。
この情報表を作ることで誰が何を知っていて、何を知らないかを可視化できます。
テストプレイの回数を減らせる
たまに、とりあえずテストプレイを何度も重ねてバランスを調整するという人もいますが……テストプレイヤーを集めるのはマダミス制作に置いて一番大変な部分です。
特にマダミス制作初心者は仲間も少なく、テストプレイに協力してくれる人を見つけるだけで一苦労です。できれば、自分でできるシミュレーションは行ったうえで、テストプレイは最終調整として行うのが良いでしょう。
情報表をフェーズごとに作れば、プレイのシミュレーションになります。
テストプレイでチェックする内容の指針になる
テストプレイについてはまた別の記事にしますが……情報表を作っておけば、議論がどのように進むかをある程度シミュレーションできます。
テストプレイ時にはシミュレーション通りに議論が動いているかを確認すれば良いだけになります。
もちろん、テストプレイでシミュレーション通りに動くことは少ないのですが……
シミュレーション通りに動いていなければ、情報や目標を調整すれば良いだけです。
修正の指針にもなって便利です。
まとめ
ついにマダミス制作らしい作業に入ってきました。
タイムテーブルを作り、情報を整理する方法について今日は書きました。説明は簡単ですが、作業量はとても多い制作工程です。頑張りましょう。
明日はプレイの進行表を作り、導線を整備していきましょう。お楽しみに。
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クリスマスまでの間、しばしお付き合いください。明日もどうぞお楽しみに。
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