前の記事までで、テーマとコンセプトが決まり、シナリオの概要を作ってきました。
- タイトル
- サムネイル画像
- キャッチコピー
- プレイ時間
- プレイ人数
- 特徴
- ターゲット
- あらすじ(150~300字程度)
シナリオの概要の内、あらすじ以外は前の記事を見てください。
では今日はあらすじを決めていきましょう。
あらすじの書き方
まず、ある程度ストーリーが決まっている人向けに、「マダミスのあらすじ」の書き方をお伝えします。
基本的に5W1Hを意識して書きましょう。
5W1Hとはいつ(When) · どこで(Where) · 誰が(Who) · 何を(What) · なぜ?(Why) · どのように(How)です。
- いつ……時代設定・時間
- どこで……場所・舞台
- 誰が……どういうキャラクターが出てくるのか
- 何を……どういう事件が起きたのか
この4つが簡単に分かれば問題ありません。なぜ、どのように、はマダミスのプレイ中に明かされるでしょう。なぜ、どのように、が気になる書き方にしましょう。
視点は神の視点(第3者視点)で書かれることが多いです。あるいは、プレイアブルキャラの誰の視点とも取れるような書き方でも構いません。
特定のキャラクター1人の一人称で書くと、他のキャラクターとの間に優劣がついてしまいます。たとえば、明確に探偵役がいる場合など作者が意図的である場合は良いですが、意図的でない場合は一人称は避けた方が良いでしょう。
あらすじの考え方
さて、次はあらすじが思いついていない場合の考え方です。
その場合は、明日以降書いていくマダミスのストーリー展開の構成や、キャラの作り方を知識として学んでから考えても良いと思います。
ここでは発想法をお伝えします。
コンセプトとテーマは決まったと思います。
コンセプトとテーマに基づいて、以下のアウトプットとインプットを繰り返します。
- コンセプトとテーマに関連するワードを書き出していく(ブレスト)
- 関連する本を読んだり資料を検索する(リサーチ)
- キャラクターや事件、舞台のアイデアをどんどん出していく(ブレスト)
- アイデアを取捨選択してストーリーを組み立てる
具体的にはブレストとリサーチ、取捨選択です。
ブレスト(ブレインストーミング)
まず、コンセプトとテーマに関連するワードを書き出していきましょう。
ブレスト(ブレインストーミング)と呼ばれる発想法です。
手書きでも良いですし、スプレッドシートやエクセルに書いていっても構いません。
ふせんを壁に貼っていくやり方もあります。
コツとしては、「面白いかどうか」「良いアイデアかどうか」「使えるアイデアか」「関連しているか」などを気にしないことです。とにかく、思いつく限りに書いていきましょう。
使えるアイデアかどうかを取捨選択するのは後でやる作業です。いったんは沢山出すことを目標に考えてみましょう。
一人でブレストするのが難しければ、友人に手伝ってもらっても良いでしょう。誰かと話している内にアイデアが出てくることもありますし、自分では思いつかなかったアイデアが出ることもあります。
思い浮かばなくなったら、「感情が動くものリスト」を見返してワードを出していっても良いでしょう。
リサーチ
ブレストで出てきたアイデアやワードを検索してみましょう。
よく知っている知識であっても、実は面白いエピソードがあるかもしれません。
wikipediaの関連項目を呼んでいっても良いです。言語ベクトル計算機を使うのも良いでしょう。関連ワードを出してくれます。
以下はvecTechというツールで計算した「マーダーミステリー」の関連ワードです。https://enhack.app/vector/wikipedia/words_viewer/wiki_ja/?keyword=%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%BC
時間があれば書籍を読んでも良いですし、映画を見ても良いです。
インプットと呼ばれるものです。
インプットが多ければ多いほど、アイデアは出しやすくなります。
逆に、アイデアが何も出てこないという人はインプットが足りない可能性があります。手あたり次第調べてみるのも良いでしょう。
再度ブレスト
再度ブレストです。
どれだけ書き出せば良いんだと思われたかもしれません。こういうものなのです。
創作はリサーチと書き出し(インプットとアウトプット)の連続です。手を動かせば動かしただけ前に進みます。
作業は大変ですが、机に向かって何も出ないと悩むより、よっぽど良いでしょう。
- いつ……時代設定・時間
- どこで……場所・舞台
- 誰が……どういうキャラクターが出てくるのか
- 何を……どういう事件が起きたのか
- なぜ……動機・事件背景
- どうやって……トリック・ギミック・アリバイ
5W1Hを埋めていきましょう。
行き詰ったらいったん仮置きしてみて、「どこがつまらないのか?」「もっと面白いアイデアは無いか?」と考えてみましょう。
いったんつまらないアイデアでも良いので、仮置きしてみるのは大事です。
0から1を生むより、1よりも面白い2を見つける方が簡単なものです。
それを繰り返して100にすればいいのです。
最初から面白さレベル100を目指すと、アイデアが出なくてつらくなります。
とにかく手を動かしましょう。
ここでも、いったん、5W1Hの整合性などは置いておきましょう。とにかくアイデアを出しましょう。整合性などは後で考えれば良いのです。
詰まったらリサーチに戻っても、最初のアイデアのブレストに戻っても、感情が動くものリストに戻っても良いでしょう。
取捨選択・整合性の確保
アイデアが沢山でたら、ようやく取捨選択に入ります。
ここで念頭に置くのはテーマです。テーマを伝えるにはどのアイデアが良いのか。
テーマの記事で、「創作物はテーマを伝えるための感情装置だ」とお伝えしました。
テーマである「プレイ後になってほしい感情」になってもらうために、最適なアイデアを選びましょう。
対して、コンセプトには沿っても良いですが、ギャップがあっても良いです。コンセプトとのギャップが面白さを生むかもしれません。○○というジャンルがコンセプトだったら、△△という要素を掛け算して「〇〇×△△マダミス」というコンセプトに変更しても良いでしょう。
5W1Hの中で、テーマには沿っているのに整合性が取れていなかったら面白くするチャンスです。整合性をとるためにどうしたら良いか考えてみましょう。きっと面白くなります。
まとめ
ブレストとリサーチを繰り返し、最後に取捨選択をする方法をお伝えしました。
ただし、最初にも書いた通り、マダミスのストーリー展開の構成やキャラクターの知識が無いと、うまくストーリーが作れないかもしれません。構成やキャラクターについては今後の記事をお楽しみに。
なお、ここで書いたインプット&アウトプットの方法は一例です。絶対にこうしないといけないものではありません。
アイデアを出すために便利な書籍を2冊ご紹介します。
考具 ―考えるための道具、持っていますか?(加藤昌治、CCCメディアハウス)
https://amzn.asia/d/35lWVyi
文字通り、「考えるための道具」である考具が沢山載っている本です。創作だけでなくビジネスのアイデア出しにもおすすめ。デスクに1冊あると便利な本です。
問いかけの作法 チームの魅力と才能を引き出す技術(安斎勇樹、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
https://amzn.asia/d/0dV6CQc
チームで意見を出しやすくするための「問いかけ」について書かれている本です。チームだけでなく、問いかけの相手を自分にすることで、アイデアが出しやすくなります。
マダミスアドカレチャレンジについて
マダミスアドカレチャレンジと題して、マダミスの作り方を12月1日~25日で書けるだけ書いくチャレンジをしています。
チャレンジ終了後、記事は一部非公開にして、pdfの電子書籍+穴埋めフォーマットを付けてBOOTHなどで販売予定です。
クリスマスまでの間、しばしお付き合いください。明日もどうぞお楽しみに。