テーマやコンセプト、シナリオ概要、あらすじが決まりました。
では、次はプラットフォームを決めましょう。次は、と言いましたが、最初に決めても良いですし、最終的に決めても構いません。
プラットフォームって何があるの?
マダミスを頒布・販売する場合、プラットフォームは何があるでしょうか。
- ウズ
- BOOTH(オンラインダウンロード販売)
- ココフォリア・ユドナリウム
- オフライン(印刷)
主なプラットフォームは以上の3つです。
ウズが一番手軽に作れ、下に行くほど手間が増えます。
とはいえ、ウズではできないこともあります。順番に解説していきます。
ウズ(ウズスタジオ)
スマホでマダミスができるアプリ・ウズには、ウズにマダミスを投稿する「ウズスタジオ」というツールがあります。
ウズスタジオの使い方・アカウント申請は以下の記事から https://note.com/uzuapp/n/n5c8e1f8571ae
最低限、マダミスのシナリオとサムネイル画像1枚だけを用意すればプレイできるマダミスが作れます。一番お手軽にマダミスを作る方法です。
はじめてマダミスを作ってみたい方はウズスタジオで始めると良いでしょう。
ウズスタジオの良い点
- フォーマットが決まっているので文章を入力するだけで良い
- 画像は最低サムネイル1枚あれば良い
- ルールのテキストがあらかじめ表示される
- GMレスで進行が可能
- 作家discordサーバーがあるので作家同士交流できる
- ウズスタジオ専用テストプレイdiscordサーバーがあるのでテストプレイの募集が簡単
- 凝ろうと思えば画像やBGMもつけられる
- マークダウン記法で文字装飾も簡単
ウズスタジオで作る利点は、デザインが不要だったり、ルールの説明が不要だったりといった制作面以外にも、作家コミュニティがあることが挙げられます。
作家同士相談もできますし、Bootcampのようにメンター・メンティでペアになってマダミスを作る企画も行っているので制作が孤独になりづらいです。
アプリ運営さんとの距離も近く、要望がすぐ改善されるのも良い点です。
ウズスタジオの悪い点
- プレイヤー6人までしか作れない
- カード機能が無い
- 投票が1回までしかできない
- GMレスマダミスしか作れない
- 観戦機能が無い(discordを併用すれば可能)
- 複雑なデザインや絵的な表現は難しい
- ウズスタジオの仕様やマークダウン記法に慣れるのに時間がかかる
- 有料の場合、手数料はBOOTHに比べて高い
ウズスタジオでは現状、プレイヤーは6名まで、カード機能が無い、投票が1回、GMレスしか作れない、観戦が不可能などの機能上の制限があります。特にカードで手がかりを集めるタイプ(オープン型)のマダミスを作りたい人には不向きです。
一応、工夫すれば手がかりを実装はできるのですが、作者も手間ですし、プレイヤーにも負担がかかります。
とはいえ、ウズスタジオバージョン2(V2)が開発途中ということなので、今後改善されるでしょう。
また、デザインは不要なのですが、逆に言えば複雑なデザインや絵的な表現は難しいです。ある程度簡素なテキストでの表現になります。デザインにこだわりたい人には向きません。
ウズスタジオはある程度直観的に使えるツールなのですが、1~2時間程度ツールに慣れる時間が必要です。しかも、最初は入力例が無いので、自分で習得するしかありません。
discordで聞けば教えてくれる作家さんや運営さんもいるので、不安に思う必要はありませんが、慣れる時間はどうしてもかかってしまいます。
金銭面でいくと、詳細は省きますが、ウズスタジオでマダミスを有料販売した場合、
売上=アプリプラットフォーム(GoogleやApple)+ウズ+作家
での分配となります。
BOOTHに比べ、関わっている関係者が多い分、作家の手取りは減ります。
BOOTH(オンラインダウンロード販売)
オンラインマダミスの多くはBOOTHで販売されています。
pdfだけの作品もあれば、ココフォリアやユドナリウムを使用してカード盤面を作っている作品もあります。
BOOTHの良い点
- デザインが自由
- プラットフォーム手数料が安い(約5.6%)
- 複雑なルールを実装できる
- 印刷費が不要でコストがほぼ掛からない
ウズスタジオに比べて、BOOTHで販売する場合はすべてが自由です。
デザインに凝ることもできますし、マダミスのルールも自由に決められます。
また、オフラインマダミスに比べて、印刷費がかからないため在庫リスクもなく、コストもほぼ不要です。コストとしてかかるのは制作費、デザインソフト代、ココフォリアの支援費などでしょう。(ココフォリアは盤面をエクスポートするためにココフォリアへの支援が必要になります。でも月額300円です。)
売上もBOOTH手数料が約5.6%引かれるだけで、ほぼ自分の手取りになるので、コストが低く利益率が高いのがとても良い点です。
BOOTH(オンラインダウンロード販売)の悪い点
- デザインが必要、かつ大変
- ルールを決め、説明する資料を作らないといけない
- コミュニティが無いので、孤独な作業
- テストプレイヤーを集めるのが自力
BOOTHでオンラインダウンロード販売する際は、デザインやルールが自由な分、それを全て一から自分で作らないといけません。
GMアリマダミスも作れますが、GMガイドの制作の手間が増えます。
ココフォリアやユドナリウムの盤面も作らないといけません。
私もウズで作成したマダミスをBOOTH用にデザインしなおしましたが……ウズスタジオでシナリオを作った時間と同じぐらいの時間が掛かりました。
デザインはCanvaを使えばある程度簡単にできますので、ぜひ使ってみてください。
Canvaの使い方動画もアップしています。
とはいえ、Canvaを使ってもデザインやルール資料作成にかかる時間は膨大です。
また、現在、マダミス作家の大規模なコミュニティはウズスタジオ外には無いように思います。(あれば教えてください!)
小規模な作家仲間の集まりはあるのですが……。
テストプレイの募集なども一から自分で声をかけなければいけないので、孤独です。
オフライン(印刷)
資料やカードを印刷して、オフラインパッケージにすることもできます。
カードゲームやボードゲームの印刷会社萬印堂さんがマダミス専用の印刷プランを出しています。
100セットで148,500円(税込)~です。
オフライン(印刷)の良い点
- 手に取れる形になるので嬉しい
- ゲムマなどオフラインの即売会に出れるので販路が広がる
- 店舗などでの公演にも売り込める
- オンラインと同様、ルールやデザインは自由
オフラインの良い点はやはり、手に取れる形になることでしょう。
更に、販路が広がるのも良い点です。
オンラインと同様、ルールやデザインは自由で、工夫によってはオンラインではできない表現ができるでしょう。
オフライン(印刷)の悪い点
- 印刷コストがかかる
- 在庫リスクができる
- 最低ロット分を売らなくてはいけない
- デザインやルール資料作成の手間がかかる
- 印刷所への入稿の手間がかかる
- 発送や出展など販売・PRへのコストがかかる
オフラインの悪い点は何よりコストでしょう。最低でも14万円以上の印刷費が必要で、かつ100セット以上を売らなければならない在庫リスクも背負い込みます。また、売るためにゲムマなどの展示会・即売会に出ると、イベント出展料も掛かってきます。オンライン通販するにも送料などオンラインパッケージでは不要だったコストがかかります。
オンラインパッケージに比べて、デザインや資料作成の手間は変わらず、印刷用の体裁に合わせるために更にリソースは増えます。
初心者の方はオフラインに挑戦するのは、ある程度作品を制作して、100セット以上売り切れる目途がついてからにしましょう。
まとめ
一番手間がかからず楽なのはウズスタジオです。ただし、ルールやプレイヤー数に制限があります。とはいえ、初心者はウズスタジオで作れる範囲で一度作ってみるのが良いでしょう。勉強になるはずです。
次に金銭リスクの少ないオンラインパッケージをBOOTHで販売するのが良いでしょう。
ウズスタジオに比べ、デザインやルール作成の手間は膨大ですが……。
最後に、印刷してオフラインパッケージを販売するのは、ある程度マダミス制作に慣れてから行うと良いでしょう。
まず、初心者の方はウズスタジオに登録してみるところから始めてみましょう。
制作数が0でもウズスタジオ作家のdiscordに入れるので、困った時にはアドバイスやサポートも受けられる筈です。
マダミスアドカレチャレンジについて
マダミスアドカレチャレンジと題して、マダミスの作り方を12月1日~25日で書けるだけ書いくチャレンジをしています。
チャレンジ終了後、記事は一部非公開にして、pdfの電子書籍+穴埋めフォーマットを付けてBOOTHなどで販売予定です。
クリスマスまでの間、しばしお付き合いください。明日もどうぞお楽しみに。