前の記事までで、テーマとコンセプト、シナリオの概要、プラットフォームも選び、キャラクターを作り、魅力的な事件も考え、あらすじも決まり、タイムテーブルを作り、情報表で情報を整理しました。
では今日は進行表を作っていきましょう。
進行表とは?
ゲームの流れ、フェーズごとにかかる時間(分)、読み上げの担当、プレイヤーの感情・期待値をまとめた表を私は進行表と読んでいます。私の造語です。
マダミス作家全員が作っている訳では無いですが、便利なのでぜひ作ってみてください。
どのように作るのか、ひとつずつ解説していきます。
ゲームの流れとは
マダミスをプレイする際、最初にルールと共にゲームの流れが提示されるマダミスも多いでしょう。
- キャラクター決定・個別資料読み込み:15分
- オープニング
- 議論1回目:10分
- 追加情報
- 議論2回目:10分
- 投票
- エンディング
こういう流れです。「ゲームの流れ」とか「ゲーム進行」とか呼ばれます。
さらに、この進行表ではゲーム中の流れに加え、プレイ前と感想戦・プレイ後を付け加えています。
ゲームの流れは7つのフェーズの組み合わせで出来ている
構成の記事を思い出してください。
- 共通情報……オープニング、エンディング、キャラクター選択、追加情報の読み合わせなど。
- 個別情報……個別資料読み込み、追加情報資料の配布など。
- 議論・密談
- 推理発表
- 調査……カードなど手がかりの取得。
- 投票……情報や推理の結果、目的に応じて決断する。
- アクションフェーズ……自由に発言・行動する。
これら7つのフェーズを組み合わせて、マダミスはできています。
物語の展開に合わせて、このフェーズを組み合わせて、どういう流れでゲームが進むかを考えましょう。
基本的なマダミスのゲームの流れ
ウズスタジオでマダミスを作った場合、基本的なゲームの流れを例示します。
- あらすじ・作者からのメッセージ(プレイ前の画面)
- キャラクター選択
- ルール説明(ウズ既定のルール)
- オープニング
- 個別資料読み込み
- 議論
- 投票
- エンディング
- 事件の真相・感想戦
この基本的な構成に加え、議論が追加されたり、追加情報を与えるフェーズ、アクションフェーズが追加されたりします。
ゲームの流れの作り方
はじめてマダミスを作る人はどういう流れにしたら良いか分からないと思います。はじめてでなくても、情報量や時間を変えると、一から考えなければなりません。
まず、自分の作りたい作品に似た時間のマダミス作品を数作プレイしてみて、ゲームの流れや情報量、展開を書き出してみましょう。
数作参考に書き出せば、自分の作品の流れも作れるはずです。
また、感情導線や推理導線を作っていく内に調整も必要になるので、いったんベースを作り、調整していくと良いでしょう。感情導線や推理導線については明日以降書きます。
ゲームの流れに正解はなく、完璧に流れを作るのは難しいので、テストプレイでも何度も調整しましょう。
フェーズごとにかかる時間(分)
フェーズごとにかかる時間は、プレイヤーに提示する時間は読み込み時間と議論時間だけで良いと思います。
しかし、作者としては、議論時間だけではなく、追加情報の処理や読み込み、エンディングなど、全てのフェーズにどれぐらいの時間が掛かるか計算しておいた方が良いでしょう。
すべてを足せば、全体のプレイ時間が計算できるので、プレイ時間の目安になるからです。
読み込み時間・音読時間
時間もテストプレイで微調整しますが、基本的には黙読の速度と音読の速度に合わせて計算すると良いでしょう。
https://www.sokunousokudoku.net/media/?p=4575 日本速脳速読協会
- 話す(音読)速度の平均…約360文字〜420文字/分
- 読む(黙読)速度の平均…約600文字/分
つまり、
- 読み込み時間は 資料の文字数÷600文字/分+予備3~5分
- 音読時間は 文字数÷400文字/分
で計算できます。読み込み時間は人によって違いますし、情報を整理する時間で予備として3~5分ぐらい付け加えておくと良いでしょう。もちろん、テストプレイで長さは調整します。
議論時間
議論時間も、話す速度の目安400字を目安にしましょう。
400字というとイメージがしづらいですが……1分間に3ツイート(1ツイート140字×3=420字)ぐらいと考えるとどうでしょうか。
その議論時間で議論してほしい内容が何ツイート分になるか計算し、3で割ると分数が求められます。
議論時間もテストプレイで調整します。テストプレイ時にも、作者判断で時間を足したり早めに切り上げたりすると良いでしょう。
なお、議論してほしい内容については、推理導線や感情導線で説明します。
読み上げの担当
地の文やルール文を読み上げるのが誰かを作品で決めておくと、進行がスムーズになります。
GMがいるならば全部をGMに任せても良いですし、プレイヤーの没入感を高めたければプレイヤーに読むよう指定しても良いでしょう。
プレイヤーが読むのなら進行係を決めて偏らせるか、あるいは偏りなく読んでもらうかなど、作品の雰囲気によって変えると良いでしょう。
プレイヤーの感情・期待値
ざっくりとプレイヤーにどういう感情になってほしいかも書いておくと、後々便利です。
プレイ中の感情はキャラクターごとに感情導線を作るので、ここではプレイ前・プレイ後も含めた大まかな感情や期待値を書いておくと良いでしょう。
プレイヤージャーニーを考えよう
ここで、プレイヤーがどのようにマダミスをプレイするかを考えてみましょう。
マーケティング用語の「カスタマージャーニー」になぞらえてプレイヤージャーニーと呼んでみます。(私の造語です)
図にあるように、プレイヤーはTwitterやプレイヤー募集で作品のサムネイル画像を見てマダミス作品を認知します。
興味を持つと、uzuのシナリオページやBOOTHの販売ページに飛びます。
そして人集めをし、プレイします。
プレイ後はTwitterや感想サイトで感想をシェアします。
認知・興味・人集め・プレイ・シェアのそれぞれの段階で、プレイヤーが知りたい情報は違います。
特に、認知段階=サムネイルを見た段階で「どのような雰囲気のマダミスなのか」といったイメージがつかめないと、プレイヤーはプレイしたいという気持ちになりません。
逆を言えば、作者はプレイヤーに「どう思ってもらいたいか」がはっきりしていないといけません。たとえば、「気楽に楽しめそう」とか「エモい」とか、プレイヤーに思ってもらいたい印象・期待値を明確にしておきましょう。
明確にした後、サムネイルを作る際は、ぜひこちらの動画を見てください。
デザイン知識が無くても、Canvaで簡単にサムネイルを作れる方法を紹介しています。
まとめ
進行表の作り方について今日は書きました。
マダミス作家の方でも、進行表を作っていない方も多いと思います。便利なのでぜひ作ってみてください。
マダミスアドカレチャレンジについて
マダミスアドカレチャレンジと題して、マダミスの作り方を12月1日~25日で書けるだけ書いくチャレンジをしています。
チャレンジ終了後、記事は一部非公開にして、pdfの電子書籍+穴埋めフォーマットを付けてBOOTHなどで販売予定です。
クリスマスまでの間、しばしお付き合いください。明日もどうぞお楽しみに。